今年の初め、会いたい人リストを100人書きました。

その中には、僕が建築を志したきっかけを頂いた、安藤忠雄氏。

何度か講演会等には足を運んだけど、直接の面識はない。

感謝の想いを伝えたい!その手段として、安藤さんに直接、手紙を書くこと。

見て頂けるかはわからないけど、当時の想いを鮮明に思い出し、改めて初心に帰ることが出来ました。

長文になりますが、見て頂けると嬉しいです!

 

*もしもし、安藤忠雄氏と知り合いだよ!紹介できる!という方がいらっしゃれば、是非是非、繋いで頂けると最高に嬉しいです!

 

 

 

安藤忠雄建築研究所

安藤忠雄様

 

突然のお手紙、失礼いたします。

建築設計事務所アップルアーキテクツ株式会社の菊池暢晃と申します。

今の私があるのは、この世界に入るきっかけを頂いた、安藤さんの影響があります。

感謝の想いを、この手紙に込めましたので、見ていただけると幸いです。

 

私は、20年前に安藤さんを初めて知り、建築の世界を志しました。当時の私は、現場監督になりたくて建築の専門学校に入り、無知だった私は、建築家という職業を授業で初めて知りました。その際先生が、黒板に描いたスケッチが私の人生を変えました。

そのスケッチは「光の教会」でした。

コンクリートの壁に、縦と横の開口部。こそに光が差しこんだ時、十字架が浮かび上がる。

二十歳だった当時、今までにない衝撃が、脳みそから体全体に走りました!

休み時間に、学校の図書館に走り、安藤さんの本をかたっぱしから読みました。

そして、東京から大阪まで向かい、光の教会を生で見ました。その場に、何時間も、何もせずただただ、座ってたことを記憶しています。

その後も、安藤さんの本を読み漁りました。安藤さんに影響を与えた「旅」。

初めての海外にも関わらず、建築を見たいの一心で、ヨーロッパに渡りました。

ローマのパンテオン、スイスのロンシャンの教会、バルセロナのサグラダファミリア・・・。

 

それから、住宅メーカーに入社。設計希望で受けるも、結果、配属は営業部でした。

設計を学び、安藤さんを目指し、建築の世界に入ったのに、営業・・・。悔しくて悔しくてたまりませんでした。

この悔しさをバネに、営業と設計をこなす、営業設計に。

ただ、同時に、仕事の厳しさも知りました。

都内で家を作るということの責任の大きさを。

営業成績を気にする自分。表面的なデザインや、機能ばかりを追求していた自分・・・。

仕事を通して、考える自分がいました。

「家ってなんなんだろう」

「家族ってなんなんだろう」

「仕事ってなんなんだろう」

 

今まで、家創りを通して、140組の家族の人生に関わってきました。お客様には、色々な人生があること。

会社員として、お客様のことを想うと同時に、売上・ノルマ、早期着工・完工。利益率の向上を常に求められてきました。

会社としては大事なこと。会社を存続するために。

しかし、私の勤めていた会社はその後、倒産しました。

安藤さんの光の教会を思い出しました。

20歳の時に、あの場所に座っていた自分を。

光の教会は、表面的なデザインではなく、教会という機能を満たすと同時に、建物自体に教会の本質を表現。

そもそも、神とは?キリスト、自然・・・。

永遠の命を表現する十字架を、光の要素に絞り、これを建築として昇華。

家を建てることは、何千万円という大きな買い物。

その家族の人生を左右するものです。

「家ってなんなんだろう」

「家族ってなんなんだろう」

「仕事ってなんなんだろう」

僕が出した答えは、「家=家族」です。

人生の大半を家で過ごします。

そこで生まれ、笑ったり、泣いたり、怒ったり、いずれ死ぬ。そして、新たな命が育まれ、次の世代に受け継がれていく。

お父さん、お母さん、子どもたち、おじいちゃん、おばあちゃん・・・の人生。

家族の人生を左右する家はどうあるべきなのか?

何気なく生きるのではなく、充実した人生を生きるには。

家創りとは、未来を創ること。

家を新たに創るということは、そこに住む家族の人生も新たに創ること。

家族一人一人が描く夢であり、ビジョンを大切に生きる人生。

弊社の仕事は、家族の未来を具体的な夢・ビジョンをお客様と一緒につくり、家創りとして設計に反映し、その家族に生涯寄り添うことです。

安藤さんの光の教会から、学んだ「本質」を追求した結果が、僕の今の仕事です。

私は、組織の最小単位である家族を幸せにすることが、世の中をよりよくする、一番身近でやるべきことと考えております。

同時に、家創りに関わる全ての人が、お客様のビジョンを心から応援し、支え、信じ続ける集団を創ります。

「家創りと場創りを通じて、家族や働く仲間の夢や成長に寄り添い、人と地域が、イキイキすることに貢献します。」

 

長文になりましたが、今の私があるのは、安藤さんのおかげです。心から感謝申し上げて、結びとさせて頂きます。

 

 

平成30年12月1日

アップルアーキテクツ株式会社

代表取締役CEO 菊池暢晃